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February 05, 2006
奥田英朗『港町食堂』●○
2005.11.20初版。初出「旅」2004年5月号〜2005年4月号。「旅」ってJTBから出ていたと思ったんだが、今は新潮社が作ってるんですね。知らなかったよ。
奥田英朗旅行エッセイの第3弾、ぐらいかな。野球のとオリンピックのと。もっとも前2作はスポーツがメインだったので、純粋な紀行エッセイとしては本書が初なのかもしれません。それはさておき。
- 行き先は港町
- 港には毎回船で入る
- 行く先々でおいしいものを食べる
- 地元のスナックに入って交流を深める(特に女性と)
というようなテーマで全6本。土佐、五島列島、牡鹿半島、釜山、日本海(敦賀・新潟・佐渡島)、礼文島の6港スポット。奥田せんせい、ぶうぶう文句をいいながらもけっこう楽しんでいるご様子。
同じ旅行をしようとはまったく思わないが、そういう紀行文こそ楽しいのである。良書良書。とはいえ帯の、
トドメに感涙必至
は、やりすぎ。涙がこぼれるかどうかは読者にまかせたまえ。帯で泣けるの泣けないのとあおるのは下品だよ。
★★★☆(2005.11.28 黒犬)
初出「旅」2004年5月号〜2005年4月号。テレビドラマにもなった『空中ブランコ』で第131回直木賞を受賞した奥田英朗の旅エッセイ。 人混みを憎み、「いい人は家にいる」と強がってはいるが、誘われれば、不承不承というポーズをとり、嬉々としてとしてついて行く。わたしはへそ曲がりな人間なのである――と冒頭で開き直っているところがオッサンぽくてかわいい。目的地は土佐清水、五島列島、韓国・釜山など全6篇。
アテネオリンピックの観戦記『泳いで帰れ!』と同じく、いいものはいい、つまらんものはつまらんとキッパリ書かれていて愉快。今回はなにしろ「食堂」ですから、各地の名物料理など食にまつわる記事が楽しい。礼文島の「たこしゃぶ」おいしそう。食べてみたい。
★★★★(2006.2.14 白犬)
新潮社 1300円 4-10-300351-0
posted by Kuro : 12:17
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港町食堂
雑誌「旅」に連載されたエッセイ。
必ず船で目的地まで行き、着いた先の港町で食事をとったり散策したりと、マッタリ奥田流の視線と行動力で(笑)... [Read more...]
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