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August 18, 2007

麻生太郎『とてつもない日本』○

 ポスト安倍の呼び声も高い麻生太郎外務大臣が「日本の底力」について語る。「自分のホームページのコラムで書いてきた文章を下敷きに、新たにまとめ直した」とある。「アジアの実践的先駆者」「高齢化を讃える」「地方は生き返る」といった章タイトルからもわかるように、日本と日本国民がいかにすばらしいかということを多方面から立証している。
 ご存じのように、著者はこのうえもなく強力な家系に連なる人物であるが、みずから「生まれはいいが育ちは悪い」と言い切るだけあって、全体にエバったかんじはしない。自慢たらしくもない。しかしちょっとうがった見方をすれば、生まれつきじぶんを大きく見せる必要のなかったオトコなわけだから、これが彼の“素”なのかも。
 日本はダメだダメだと言われるより、こんなにすごいんだ、まだまだイケる! と言われたほうが気分はいい。こういう考えの人が外務大臣でよかったと思う。ただし読み物としては毒にも薬にもならないというか、ここらへんが立場上の限界か。

★★(2007.7.18 白犬)

新潮社/新潮新書 680円 978-4-10-610217-2

posted by Kuro : 15:50

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