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July 23, 2007
『文藝春秋』2007年8月号○
【おもしろかった記事(特集)】
- 昭和の海軍「エリート集団の栄光と失墜」 半藤一利×秦郁彦×戸高一成×福田和也×平間洋一
【おもしろかった記事(単発)】
- 荻原博子/あなたの年金ここがあぶない
- 奥野修司/「電波男」島田神助の金と権力
- 永六輔/TVが王様「恥ずかしい国・日本」
- 李登輝/中国よ、だから私は靖国へ行く
- 三木達哉/愛する妻をうつ病に奪われて
- 天才たちの脳の中を覗く/対談:小川洋子×羽生善治
- イビチャ・オシム/サッカー「日本化」への条件
- 河村明子/NHK「きょうの料理」50年の味
- 内田樹/昭和人よ――吉本隆明、江藤淳、鉄腕アトムへ
【おもしろかった連載】
- 巻頭コラム
- 阿川弘之/静かに過ごすことを習へ
- 大宅映子/母
- 土屋賢二/イギリス人はしぶとい
- 片山修/名古屋の常識
- 塩野七生/日本人へ51「夏の夜のおしゃべり」
- 柳田邦男/新・がん50人の勇気 青木雄二・野間宏・黒田清
- 鴨下信一/昭和のことば3「仲良し」
- 岩崎元郎/悠々山歩き13「夏山登山」
【なんだかなあ】
- 堺屋太一/団塊世代の一票が日本を変える
- 坂東眞理子/女性の品格 ママさん官僚奮戦す
【かわいい!】
- ペットと私8/中村紘子さんちのたばこ君(オーシーキャット 20歳!)
【行ってみたい!】
- 本屋探訪/コーヒーも飲める出版社直営の本屋さん 東京・西麻布「Rainy Day Bookstore & Cafe」[SWITCH Publishing][食べログ.com]
【これが食いたい!】
- グラビア/京都「夏の宿」より
- 麩屋町御池「柊家」の朝食・できたて豆腐の湯豆腐
- 錦「近又」の鱧寿司と夏の冷鉢
- 祇園「柚子屋旅館」の鱧しゃぶ(青柚子鍋)
【心に残った一文】
- NHKの教養番組製作担当の責任者たちに敢て苦言を呈したい。「どんな異国の古代文明だつて、静かに説明してくれれば理解出来るし、感銘も覚えるのです。視聴者の民度は、あなた方が考へてゐるほど低くありません。それをまあ、あんな若い女性スタッフにきやァきやァ叫び声ばかり上げさせて、王家の谷もアブシンベルも全部台無しです。(中略)時流に阿ってはいけません。今からでもおそくない、ああいふ製作態度を改めて貰へませんか」と。(阿川弘之「静かに過ごすことを習へ」より)
- 最近のテレビはグルメ番組が乱立して、これでもかこれでもかと食べるシーンを映し出す。「旨い」「凄い」の繰り返しだけで旅番組をつくる恥ずかしさ。(永六輔/TVが王様「恥ずかしい国・日本」より)
- いわゆるマナー本や功成り名を遂げた女性の一代記はあっても、若い女性のビジネス社会での悩みに応える本はあまりなかったのかもしれません。代わりに、模索する二十代、三十代女性は、美輪明宏さんや江原啓之さんなどのスピリチュアル系の本を愛読していたのではないでしょうか。だからこそ逆に『女性の品格』には、私が働くなかで経験し身につけたアドバイスである、「ちょっとした心がけ次第で物事は円滑にまわるのだ」というメッセージを込めてあります。(坂東眞理子「女性の品格 ママさん官僚奮戦す」より)
- (坂東眞理子著『女性の品格』は)つまらない男にとってのみ好都合なツマラナイ女、の大量生産に最適だと思う。だけどなぜこの日本では、つまらない女ではやっていけるはずのない高級官僚を経験した人が、つまらない女の大量育成にこうも熱心になるのだろう。(中略)いいかげんに、女ならば女のことを心配するという習性から脱してはどうであろう。(塩野七生「夏の夜のおしゃべり」より)
- 一九五〇年代、内田家では「家族会議」というものが週一回開催されていた。(中略)どうして父母がそのような「合議制」の家庭を構築しようとしたのか、私は知らない。おそらく、父がどこかの雑誌か思想書で仕込んで「あるべき家族」の理想像をトレースしようとしたのだろう。(中略)偽善的で、ほとんど演劇的に見えるだろうが、戦後民主主義とはそういうものであった。(内田樹「昭和人よ」より)
- 私には、日本人の選手やコーチたちがよく使う言葉で嫌いなものがニつあります。『しょうがない』と『切り換え、切り換え』です。それで全部を誤魔化すことができてしまう。(イビチャ・オシム「サッカー「日本化」への条件」より)
(2007.7.23 白犬)
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posted by Kuro : 23:48
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