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June 02, 2007

東野圭吾『使命と魂のリミット』○

 初出「週刊新潮」2004年12月〜2005年11月。
 帝都大学病院の研修医、氷室夕紀は心臓外科の名医として知られる西園教授と私的な関係にあった。西園はかつて大動脈瘤で死んだ父の担当医で、いまは夕紀の母、百合恵の恋人。父の死をきっかけに医師の道を選んだ夕紀は、西園が手術を故意に失敗したという疑念をぬぐい去れずにいる。そんなある日、夕紀は西園直々に手術の第二助手を命じられる。
 二人の医師の浅からぬ因縁にハイテクな脅迫事件がからむ医療サスペンス。大病院を舞台とする複雑な人間関係を無理なく読ませる。随所に挿入されるエピソードも秀逸。安定感じゅうぶんの力作。読後、健康的な生活を心がけたくなりました。

★★★★(2007.4.3 白犬)

新潮社 1600円 4-10-303171-9

posted by Kuro : 22:02

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