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February 16, 2007

樋口有介『ピース』○

　青春ミステリーの書き手として根強いファンの多い樋口有介の書き下ろし長篇。
　秩父の田舎町で連続バラバラ殺人事件が発生。地元紙で記者をしている香村麻美は、被害者のひとりが行きつけのスナックでアルバイトをしていた女性であることから、独自に調査を始める。麻美はスナックのマスターの甥、梢路とひそかに付き合っており、彼の若者らしからぬ生活習慣や言動が気にかかっていた。もしかしたら梢路は被害者と関係していたのではないのか。そのぬぐい去れない思いが麻美をいっそう仕事へと駆り立てるが、謎は深まるばかり。本庁のベテラン刑事、坂森を中心とする捜査本部も有力な手がかりを得られずにいる。そんななか第三のバラバラ死体が見つかる。
　物語は登場人物たちが集うスナック〈ラザロ〉のある夜の風景にはじまるが、同店を起点とする複雑な人間関係を最後まで無理なく読ませる。しだいに明らかになるそれぞれの過去と接点。だれが犯人でもおかしくない、そんな気にさえなる。やがて事件は意外な方向に発展するが、それは読んでのお楽しみ。

★★★★（2006.10.22　白犬）

中央公論新社　1700円　4-12-003756-8

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posted by Kuro : 22:55

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トラックバック時刻: February 18, 2007 12:11 PM

comments

こんにちは。
ｆｃ２ブログへトラックバックありがとうございました。
はてなの読書日記のほうからトラックバックさせていただきました。
樋口有介は好きなんですよね。続編を書いてくれると嬉しいのですが。

投稿者 でこぽん : February 17, 2007 03:25 PM

ＴＢありがとうございました。
樋口ワールドはハマると抜け出せませんね。
今年は柚木草平シリーズの新作が読めそうなので楽しみにしています。

投稿者 しゃお : February 17, 2007 05:54 PM

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