« 樋口有介『ピース』○ | Blog Top | 『新潮45』2007年3月号○ »

February 18, 2007

町田康『権現の踊り子』○

 02年に川端賞を受賞した表題作ほかを収録した著者初の短編集。
 ひとりの作家の作品を遡って読むというのもたまにはおもしろい。本書には6編が収録されているが、『告白』など長編は別として、同じ短編集なら05年発表の『浄土』のほうがだんぜんよい。引き続き新作を追いかけてみようかという気になる。
 しけた祭りのリハーサルに立ち会うはめに陥った男を描く表題作のほかでは、素人発明家の情けない生涯をスケッチした「工夫の減さん」、俺だけが知らない世界の「ふくみ笑い」が印象に残った。ぎょんべらむ。

★★★★(2007.1.2 白犬)

講談社/講談社文庫 552円 4-06-275351-0


posted by Kuro : 23:53

trackbacks

このエントリーのトラックバックURL:
http://dakendo.s26.xrea.com/blog/mt-tb.cgi/309

comments

コメントをどうぞ。




保存しますか?