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July 24, 2006
森絵都『風に舞いあがるビニールシート』○●
初出「別册文藝春秋」。『永遠の出口』で児童文学の枠を超え、『いつかパラソルの下』が直木賞候補となった森絵都の短篇集。
表題作「風に舞いあがるビニールシート」は、国連難民高等弁務官事務所の日本人職員が、元夫の非業の死を乗り越えようとするさまを描く。ほか5篇の主人公も有名パティシエの専属秘書、捨て犬の世話をするボランティア、仏像の修復師などなど世間的にはあまり表に出てこない人々。かわったところではレポート代筆の達人と呼ばれる社会人学生というのも。作品によっては、まるでその職業の関係者が書いたかのような詳細さで、信じがたいほど色彩豊かな短篇集に仕上がっている。表題作のほかでは、有名パティシエのもと滅私奉公を強いられる専属秘書の心象を描いた「器を探して」、社用車に同乗してクレーム処理に向かうことになった初対面の中年男と若者の交流を描く「ジェネレーションＸ」が印象に残った。1400円はまったくもってお買い得。
★★★★☆（2006.6.22 白犬）
2006.5.30初版。初出「別册文藝春秋」05年3月号〜06年1月号。6つの話からなる短篇集。第135回直木賞受賞作。
パティシエ秘書、ホステス兼動物愛護ボランティア、レポート作成代行、仏像修復師、元高校球児のサラリーマン、国連難民高等弁務官事務所職員といった人々の仕事や私生活、日々に感じること思うこと。
狙いすぎ、当たり前すぎと思う展開がないわけではないが（表題作など）、それでも読み終えたときにはなんとなく落ち着く。このあたりは作者のもつ天性の「おはなしづくり職人」としての技なのであろう。
読み終えて1週間ほどのちに、直木賞受賞が決定した。全作文藝春秋関係というのはどうかと思った第135回の芥川賞・直木賞だが、とりあえずこの作品については合格でしょう（伊藤たかみ、三浦しをんの受賞作は未読）。
★★★★（2006.7.10 黒犬）
文藝春秋 1400円 4-16-324920-6
posted by Kuro : 00:14
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風に舞いあがるビニールシート 作者: 森絵都 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2006/05 メディア: 単行本 受賞作決定のニュースが流れる前には読... [Read more...]
トラックバック時刻: July 24, 2006 05:32 AM
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私は誰も愛したことがない。
男性とおつきあいした経験はあっても、「そこに愛があるのかい？」と少し昔のドラマの台詞みたいなことを問われると、「あるよ」と断言... [Read more...]
トラックバック時刻: July 24, 2006 09:34 AM
» 風に舞いあがるビニールシート [森絵都] from + ChiekoaLibrary +
風に舞いあがるビニールシート森 絵都 文藝春秋 2006/05
「器を探して」「犬の散歩」「守護神」「鐘の音」「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニール... [Read more...]
トラックバック時刻: July 24, 2006 06:07 PM
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風に舞いあがるビニールシート
森 絵都
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トラックバック時刻: July 24, 2006 11:34 PM
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装画はハヤシマヤ。装丁は池田進吾（６７）。
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トラックバック時刻: July 25, 2006 02:28 AM
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風に舞いあがるビニールシート
森 絵都
文藝春秋 2006-05
愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。
大切な何... [Read more...]
トラックバック時刻: July 25, 2006 11:27 PM
» 『風に舞いあがるビニールシート 』 森 絵都 文藝春秋 from みかんのReading Diary♪
風に舞いあがるビニールシート
「大切な何かのために懸命に生きる人たちの、６つの物語。」
第135回直木賞受賞作。
６編の短編集ながら、どれも中... [Read more...]
トラックバック時刻: September 11, 2006 01:56 PM
» 風に舞いあがるビニールシート／森 絵都 ［Book］ from miyukichin’mu*me*mo＊
森 絵都：著 『風に舞いあがるビニールシート』
風に舞いあがるビニールシート文藝春秋このアイテムの詳細を見る
児童文学で数々の賞を受賞されている森さんで... [Read more...]
トラックバック時刻: July 8, 2007 01:54 PM
comments
こんばんは♪
TBどうもありがとうございました。
充実の１冊で、
1,400円はまったくもってお買い得ですね！
（なんて言いつつ、私は図書館で借りましたが・・・＾＾；；）
こんばんは♪
TBどうもありがとうございました。
充実の１冊で、
1,400円はまったくもってお買い得ですね！
（なんて言いつつ、私は図書館で借りましたが・・・＾＾；；）
投稿者 miyukichi : July 9, 2007 08:48 PM
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