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July 29, 2006

平安寿子『明日、月の上で』●

 2006.6.15初版。単行本は2002年11月刊。
 やたら文字がでかい。えっ、なにこれ、と驚くほど字がおおきい。児童用かと思うくらいでかい。数えてみた。36字カケル15行だった。
 まあそれはさておき。
 惚れた男をおいかけて男の故郷である温泉町にたどりつき、男の姉とその姑が切り盛りするラーメン屋で働くことになったトビ子。ストリップ小屋に入りびたり、ストリッパーの半生記をゴーストしたり、選挙騒動に巻き込まれたり、町の人々とわいわいがやがや過ごす日々。
 どうということはない。著者が25歳のときに書いた短篇がもとになっているらしい。著者もあとがきで認めている。

 それでも本作は、若書きです。というより、あえて若書きのまま、本にしていただきました。(p.257)

 それって、どうなんだろ。もっとすごい作家なら“若書きのまま”というのも意味(価値)があるかもしれないけどねえ。アンタいつの間にそんなに偉くなったの、と少々しらけてしまったのであった。

★★(2006.7.3 黒犬)

徳間書店/徳間文庫 552円 4-19-892440-6

posted by Kuro : 23:31

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