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July 08, 2006

東野圭吾『夢はトリノをかけめぐる』●

 2006.5.25初版。初出「バーサス」06年1月号〜5月号、「小説宝石」06年4月号グラビア+書き下ろし観戦記。
 奥田英朗の『泳いで帰れ』と同じ系統に属するオリンピック観戦エッセイ。直木賞受賞直後のオリンピックというのも共通している。奥田英朗は授賞式に欠席したけど、東野圭吾は授賞式翌日の出発。
 競技数からしても夏季に比べたら小規模の冬季五輪。その分を事前取材でふくらませている。飼い猫を擬人化して相棒にしているなどの小細工もある。いろいろ工夫してはいるのだけれど、奥田エッセイと比較すると、ちょっと落ちるかなあ。せっかく常呂町に取材しにいって、しかもあれだけ(国内では)盛り上がってたのに、カーリング本戦の記述はわずか15ページほどというのは寂しい。その他の競技についても、どうも初心者相手の解説者的スタンスが鼻についた。どうせなら(熱狂するにせよ批判するにせよ)もっと過激にやってほしかった。

★★☆(2006.6.25 黒犬)

光文社 1400円 4-334-97499-6

posted by Kuro : 14:22

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