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November 06, 2005
栗田有起『ハミザベス』●○
2005.7.25初版。単行本は2003年1月刊。第26回すばる文学賞受賞作の表題作と「豆姉妹」を収録。
栗田有起のデビュー作「ハミザベス」ともう1本「豆姉妹」。『お縫い子テルミー』『オテル モル』と読んで、最初に戻ってみました。
「ハミザベス」は父親の遺言執行者から譲られたハムスターの名前。母親と離婚して以来音信不通だった父が死に、マンションの一室を遺贈されることになるまちる。そんな彼女の、別れて暮らすことになった母親、幼なじみでわずかな期間だけ恋人だったこともある男友だち、手タレをやっているという遺言執行者などとの交流を淡々と描いていく。
「豆姉妹」は《時間差の双子》とまで言われる16歳の末美と7つ歳上の姉の話。姉は看護師からSMの女王に転職、妹は思い立って頭をアフロにして学校で物議を醸す。
なんとなくトボけた雰囲気は昔から変わってないのだな。芥川賞3回候補になってだめだったということは、この先あまり可能性はなさそうだけど、地味にがんばってってほしい。
★★★☆（2005.8.10 黒犬）
二十歳の誕生日を前に死んだと思い込んでいた父が本当に死んで、マンションの一室とハムスターを受け取ることになったまちる。まちるは母と暮らした築30年の家を出て、パルテノン神殿のような門のあるマンションの33階の部屋に引っ越す。
『お縫い子テルミー』『オテル モル』の２作が芥川賞候補になった栗田有起のデビュー作にして第26回すばる文学賞受賞作。表題作ほか「豆姉妹」収録。本書と芥川賞候補作の3作だけでいえば（ほかに出てる？）、この人の描く主人公は無欲な女性である。めまぐるしく移り変わる周囲の状況に流されはするが、決して己が身の丈を逸脱することはない。私利私欲のためだけに生きてるすれっからしのあたくしとしてはいらつくこと甚だしいが、そこらへんが栗田作品の魅力なのだろう。いやみのない心地よさは一読の価値あり。次作期待。
★★★★（2005.9.9 白犬）
集英社／集英社文庫 457円 4-08-747840-8
posted by Kuro : 16:52
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表題作『ハミザベス』と『豆姉妹』の２編が収録されています。
軽やかでユーモラスで微笑ましくて、女の子女の子した作風です。一応主人公の内面の変化とか成長が肝... [Read more...]
トラックバック時刻: November 6, 2005 11:27 PM
» 『ハミザベス』栗田有起 from ひなたでゆるり
ハミザベス栗田 有起集英社2002-12by G-Tools
20歳目前のまちるは母と二人暮らし。死んだと聞いていた父が、今度は本当に死に、マンションの一室と... [Read more...]
トラックバック時刻: November 10, 2005 08:43 AM
» ハミザベス 栗田有起 ◆ from IN MY BOOK by ゆうき
ハミザベス栗田 有起集英社 2002-12by G-Tools
「ハミザベス」と「豆姉妹」の二本だて。テーマは両方とも、自立、です。
一作目は母と娘、... [Read more...]
トラックバック時刻: February 1, 2006 11:06 PM
comments
こんばんは。TBありがとうございました！
先日新作『マルコの夢』が出ましたね。
私も『お縫子テルミー』『オテルモル』『ハミザベス』と読んで、
もうちょっと“何か”を期待しているので楽しみです。
どうなんだろう…
こんばんは。TBありがとうございました！
先日新作『マルコの夢』が出ましたね。
私も『お縫子テルミー』『オテルモル』『ハミザベス』と読んで、
もうちょっと“何か”を期待しているので楽しみです。
どうなんだろう…
投稿者 ましろ : November 6, 2005 07:30 PM
ましろ様。
早速にコメントをありがとうございました。
新刊、でましたねえ。チェックしてみなくては。
なかなか雰囲気がいいというか、独特の世界を持っている作家だと思うので、もう一皮むけるとブレイクしそうな気がします。
投稿者 黒犬 : November 6, 2005 07:58 PM
はじめまして！
先日はTBありがとうございました。
伺うのが遅くなりました…すみません。
独特の感性をお持ちでこれからも楽しみな作家さんですね。
新刊が出ていたのは知りませんでした。
今度はどんな世界観なのでしょう。楽しみです。
こちらからもTBさせていただきました。
ごめんなさい、失敗したと思って再度TBしたら二重になってしまいました。一つ削除下さいませ。
お手数おかけします。
また伺いますね！
投稿者 リサ : November 10, 2005 08:49 AM
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