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June 13, 2005

いしかわじゅん『業界の濃い人』○●

 同社刊『秘密の手帖』改題+オマケ。
 人気直木賞作家に評論家、テレビでもおなじみのあのタレントなどなど、業界内の濃すぎる人々との交流を綴ったエッセイ集。
 「濃い」とされている人は山田詠美、新井素子、岡田斗司夫、夢枕獏、大月隆寛、景山民夫、大沢在昌、北方謙三、呉智英、関川夏央、杉作J太郎など40数名。複数回登場する、すごく濃そうな人もいる。まあ、気になる人の4、5人でもいたらぜひ。わたしは関川夏央について書かれた文章をもっともおもしろく読んだ。北方謙三のとってもうれしそうな「解説」は一読の価値あり。

★★★(2005.5.28 白犬)


 2005.5.25初版。2002年5月刊の親本に加筆修正、文庫版オマケとして03年発表の宗左近と文庫オリジナルの堀江貴文も追加。文筆業界漫画業界の知人友人たちについてのコラム集。
「BSマンガ夜話」の気難しそうなおっさんという印象が強い著者ですが、そうそう、そういや書いてましたね南畑剛三シリーズ。漫画家であると同時に作家でもあるので、つきあいも幅広い。そのうえ明大の漫研では後輩に山田双葉(山田詠美)もいたりする。古くからのつきあいの人から最近になって知りあった人まで、いろいろ。この人、性格はかなり悪いのだろうとは思うが、読み手にとってはこれくらいのほうがいい。変に仲良しぶりを見せられても白けるばかりだし。これだけ書いても関係が壊れないくらいの関係を築いているのだろうなあと思うのだった。とくに関川夏央に関する記述には愛さえ感じる。
 とりあえず目次を立ち読みして、人名の三分の一ぐらいはきいたことあるな、という場合は読んで楽しめるでしょう。
 巻末の宗右近ネタはずいぶん前にネットで話題になっていたので、そんなに目新しさはなかったです。
(まったくの余談だが、別に白犬の感想を真似しようとしたわけでもなく、横に並べて書いたわけでもないのに、なんで注目するポイントが関川夏央だったり、知ってる人が登場していたら読んでもいいとか、そういうトーンになっちゃうんだろうなあ。謎だ。)

★★☆(2005.6.8 黒犬)

角川書店/角川文庫 552円 4-04-179505-2


posted by Kuro : 23:48

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