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February 26, 2005
佐藤正午『豚を盗む』●○
2005.2.4初版。岩波から出ている佐藤正午のエッセイ集。『ありのすさび』『象を洗う』につづく第三弾。こんどは『豚を盗む』って動物シリーズですか。
この本に収録されている一番ふるいものが1986年に書かれたもの。一番あたらしいものが2004年。どういうコンセプトなんだろう。よくわからん。前の2冊も雑多だったような気もするけど、ふつう、年代順にまとめていきそうなもんだが。
そんなわけで、小説家佐藤正午は現在49歳で、今年の8月にはなんと50歳になってしまうわけだが、本の中ではまだ30代だったりあるいは48歳だったりしてなんとも不思議な感じがしてくるのであった。
今回のおたのしみは「十七歳」「叔父さんの恋」という短篇小説2本が入っていること。単行本未収録なのでこれはうれしい。
もうちょっと小説をいっぱい出してくれると、もっとうれしいんだがなあ。まあこれくらいが正しいペースなのかとも思いますが。
なんで「豚を盗む」なのかは「あとがき」で。
★★★★(2005.2.25 黒犬)
初出「小説すばる」「WEBダ・ヴィンチ」「IN POCKET」「PHP」などなど。変わったところで日機装株式会社広報誌「BRIGHT」、長崎県教育委員会作文コンクール入選作品集「豊かな言葉」なんてのもある。
生きることの大半は繰り返し――独身小説家の日々の暮らしは、あいも変わらず淡々と過ぎてゆく。『ありのすさび』『象を洗う』に続く佐藤正午のエッセイ集。タイトルはことわざの「豚を盗んで骨を施す=Steal a pig and give the feet for alms.」より。ファン向け。
★★★☆(2005.3.24 白犬)
岩波書店 1700円 4-00-024626-7
posted by Kuro : 16:11
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