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October 03, 2007

奥田英朗『家日和』●○

 2007.4.10初版。初出「小説すばる」。6編収録のユーモア短篇集。今年出す小説はこの一冊のみ、というような宣伝文句だったような気がする。もうちょい働けー(笑)。
 カバー写真は実際の風景をミニチュア模型のように写すので有名な本城直季。ちょっとうれしい。
 軽く、すらすらと楽しく読める。愉快。だがしかし、どこか不満も残ってしまう。基本的にこの著者、いい人なんだろうなあと思ってしまうのだ。毒が薄いというか弱いというか。エッセイなんかを読むとそれがよくわかってしまうんだよね。もっといじわるな小説を書いて欲しいのでした。

★★★★(2007.4.13 黒犬)


 初出「小説すばる」。いい人は家にいる――家庭をテーマとする6つの“在宅小説”。
 全編文句なしのおもしろさ。どうということのない日常生活を描くことにかけては、この人がいま一番うまいんじゃなかろうか。とくにあげるとすれば、勤め先が倒産したため妻にかわって主夫になった男の生活を描く「ここが青山」、例の“ロハス”を扱った「妻と玄米御飯」の2編。

★★★★(2007.4.14 白犬)

集英社 1400円 978-4-08-774852-9

posted by Kuro : 23:16

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