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May 27, 2007

小林信彦『名人 志ん生、そして志ん朝』○

 第54回菊池寛賞受賞作。親本は2003年刊行の朝日選書。2001年10月に63歳で亡くなった古今亭志ん朝にささげるオマージュとして編まれた小林信彦のコラム集。初出「小説新潮」「落語界」「一冊の本」など。
 小林ファンには既読の部分も少なくないだろうが、志ん朝の死は「ぼくにとって、一九七七年のエルヴィスの急死に匹敵する」というほどの衝撃を受けた著者の喪失感と、その死とともに失われた江戸弁による江戸落語(とキッパリ言い切っておられる)に対する惜別の念がひしひしと伝わってくる。これは編集の妙によるところが大きいと思われる。名著とされるだけのことはある。

★★★★(2007.4.11 白犬)

文藝春秋/文春文庫 581円 978-4-16-725619-7


posted by Kuro : 20:23

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