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April 16, 2006

古川日出男『ロックンロール七部作』○

 初出「小説すばる」。“ロックンロール”の流転を通じて再構築された20世紀。
 いやあ、これはすごい。すごすぎ。『ベルカ、吠えないのか』(文藝春秋)のロックンロール版とでもいおうか。「ベルカ」と同じく猛スピードで読了。目に残像がちらつくようなぶっといゴシック体や、活字に荒々しく食い込むデザイン画がさほど気にならないのは、文章の力、作品の力にほかならない。わたしはこのトシでこの作品に乗れたことがつくづく誇らしい。中高年諸君よ、死ぬな、ロールしろ!
 巻頭に引用されている「くるり(=QURULI)」の「WORLD'S END SUPERNOVA」という曲(の歌詞)は、彼らの4枚目のアルバム『THE WORLDS IS MINE』に収録されている。ほんの数十秒間試聴しただけですが、イギリスっぽくてなかなかカッコよい。聴いてから読むのもよろしいかと。

★★★★☆(2006.4.2 白犬)

集英社 1600円 4-08-774787-5

posted by Kuro : 15:18

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