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July 25, 2005

A・J・クィネル『パーフェクト・キル』●

 2000.4.25初版。原著は1992年、邦訳は新潮社から94年に出ています。
 クリーシィ・シリーズ第二弾。妻と娘を、テロリストによる航空機爆破事故で亡くしたクリーシィは、復讐に立ち上がるのであった。
『燃える男』より、説得力あり。同じ事故で妻を亡くした上院議員、復讐の手助けをさせるために引き取った孤児のマイケル、そのための偽装結婚の相手レオーニ、傭兵仲間たち、などなど、脇役陣のキャラクターもマル。此処のエピソードは魅力的で、お約束どおりとはいえ、けっこう満足のいくストーリー展開だった。
 いくつか引っかかる点があったようにも思うが、それがどこだったのか、記憶は定かではない。まあ許容範囲ってことか。
 どうにも困ってしまうのが、やはり訳文で、好みの問題なのかもしれないが、しっくりこなかった。p.212で、偽造パスポートの名前がイヤだというクリーシィ(贅沢なやつだ)に対して、手配師が「悪すぎるね」と答えるのだが、“Too bad.”の訳だとしたら笑える。ほかに「羊の番犬」(p.455)とか(モロに「羊番犬」としてあるところもあったような気がするが発見できず)。これなんか、普通に「牧羊犬」でいいのではないか。全体的に、なんだか、変。
 お約束の誤植発見は、p.396の「ロンドへ行く」。ロンドンだっちゅうに。

★★★☆(2000.6.5 黒犬)

"The Perfect Kill" by A. J. Quinnell 大熊榮・訳 集英社/集英社文庫 695円 4-08-760376-8

posted by Kuro : 00:47

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