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May 09, 2005

伊藤進『ほめるな』○

 ほめるという心理的な報酬を来る日も来る日も繰り返しあたえ続ける。現在の日本ではそれに物的報酬や評価がくわわる。成績が上がったらなにかを買ってやっるなど、子供にほうびをあたえる家庭のなんと多いことか。ほめる教育は人生にとりきわめて貴重な内発的動機づけ「アモーレ情熱」をこわしてしまう!
 話題の本。心理学の先生が「ほめる教育」がなぜダメなのかを指摘し、コミュニケーション重視のインタラクティヴ型支援を提唱するという内容。だめの事例としてマラソンの小出監督が挙げられているのが、なぜだめなのかは「事例2の小出監督については、高橋選手との具体的やり取りに関する資料がありませんので言及を控えておきましょう」だと。はっきりしろよぉ。

 こういう本が売れるということは、ともかくやたらとわが子をほめる親を苦々しく思っている人が多いからじゃないのか。
 先日、交差点の角にある電気店の脇で子供に立ち小便をさせているママがいた。すぐ目の前にスーパーとガソリンスタンドがあるが、小さな子供のことだ、間に合わないということもあるのだろう。しかしそのママ、わたしを含む信号待ちの人々を気にする様子はこれっぽっちもない。それ以上に驚いたのが、小便が終わるまで絶え間なく「わぁ××くん、じょうずねえ」と声をかけていたことだ。アホちゃうかって思いました。

★★(2005.4.16 白犬)

講談社/講談社現代新書 700円 4-06-149777-4

posted by Kuro : 01:01

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