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June 15, 2006

デイヴィッド・ベニオフ『99999』○

 タイトルは「ナインズ」。スパイク・リー監督で映画化された『25時』で華々しくデビューしたデイヴィッド・ベニオフの短篇集。表題作ほか8篇。
『25時』がおもしろかったので読んでみたが、これが全篇はずれなし。本国で絶賛されているだけのことはある。
 音楽業界の浮き沈みにまつわる人間関係を描いた表題作「99999(When the Nines Roll Over)」のほかでは、寓話的な味わいのある「悪魔がオレホヴォにやってくる(The Devil Comes to Orekhovo)」が印象に残った。もうひとつあげるとすれば「幸運の排泄物(Merde for Luck)」。エイズにおかされたカップルの、なんともやりきれない話だが、もろもろ興味深く読んだ。回想の冒頭、シェーヴィング・パーティのシーンは夢に出てきそう。

★★★★☆(2006.5.15 白犬)

"When the Nines Roll Over and Other Stories" by David Benioff 田口俊樹・訳 新潮社/新潮文庫 667円 4-10-222522-6

posted by Kuro : 00:54

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