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June 10, 2006

平野啓一郎『顔のない裸体たち』○

 初出「新潮」2005年12月号。
 地味な女教師と市役所勤めの男。二人は出会い系サイトで知り合い、アブノーマルな行為におぼれて行く。やがて男は行為を撮影し、アダルトサイトに投稿しはじめる。
 二人の世界はほぼ最悪の形で破綻するのだが、そこに至るまでの経緯を、生育歴、異性関係、象徴的なエピソードを交えつつ懇切丁寧に書き起こした作品。過激な性描写満載だが、たんなるエロ小説に堕ちていないところが、さすが“若き文豪”。次作期待。

★★★★☆(2006.4.30 白犬)

新潮社 1300円 4-10-426005-3


posted by Kuro : 13:41

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