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April 24, 2006

枡野浩一『あるきかたがただしくない』○

 著者は歌人。短歌のほかにも作詞、現代詩、批評、小説、脚本、エッセイなど幅広くご活躍。本書は「週刊朝日」連載の同名コラムと毎日新聞の「日曜日の名言」と朝日新聞の夕刊の月1コラムを発表順に並べて再構成したもので、みずからの離婚について朗かに語りすぎたために、「離婚後くよくよ立ち直りエッセイ」とも呼ばれているらしい。あはは。
 元妻は南Q太という漫画家さんで、二人の間には小さい息子さんがいるようです。で、約束通り月一回、その息子さんに会いたいが、会わせてもらえないと。ふむ。なるほど、男だというだけで「情けないやっちゃ」とか「キモチわるい」と言われるのは不公平かも。女の作家や漫画家が元夫とのこと(おもに悪口)をばりばり書いてめしのタネにしても批判されることはないものね。作家の長嶋有も本書収録の対談のなかで「男女のことに関して、まだ保守的なんだな時代は、って思うよ。もしかして「言葉の正しい意味で男女差別」っていうことを、いちはやく画期的に言った人かもしれないね、枡野浩一は」と述べている。たしかに。

★★★☆(2006.3.18 白犬)

朝日新聞社 1500円 4-02-250077-8

posted by Kuro : 22:07

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