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March 19, 2005

奥田英朗『東京物語』●

 文庫版は2004.9.25初版。単行本は2001年10月刊。
 名古屋出身の田村久雄が、大学受験のために上京(1978年)し、東京での暮らしや学生生活を経て、コピーライターとして独立する(1989年)、18歳から29歳までの物語。6篇の連作短篇集というかたちをとっている。
 著者とほぼ等身大かと思われる主人公が、東京と社会(バブル経済か)とそしてもちろん女に翻弄される様子がたのしい。
 80年代なんてごく最近のような気がするが(フィフティーズとかシクスティーズとかに比べれば、ね)、もう20年前なんだなあ。そういえば「ビッグコミック・スピリッツ」にも『東京エイティーズ』なんて作品が連載されてますな。「東京エイティーズ」などというサイトもあり(コミックのあらすじも「今週の東京エイティーズ」で読める)。おそらく、ちょうど“青春!”を振り返りたくなるのが40代のころで、そうすると20年前がなつかしかったりリバイバルでブームになったり(むろん放送や出版などの情報発信側の中枢にその年代の人がいるわけだ)するんだろうな。つまりあと10年たてば90年代がブームになると。
 まあそんなことはどうでもいいんだが。
 80年代がなつかしい人、80年代をなつかしむおじさんたちに振り回されて困ってる若い人(笑)にお勧め。中年を理解するのに役立つかもよ。

★★★☆(2005.3.8 黒犬)

集英社/集英社文庫 619円 4-08-747738-X

posted by Kuro : 15:00

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