ディーン・クーンツ(Dean R. Koontz/Dean Koontz)

【長篇】
デモン・シード[完全版]
戦慄のシャドウファイア(上・下)
ウィンター・ムーン(上・下)
コールド・ファイア(上・下)

【短篇集】
闇へ降りゆく ―ストレンジ・ハイウェイズ2―
奇妙な道 ―ストレンジ・ハイウェイズ1―

【エッセイ・NF】



デモン・シード[完全版]
Demon Seed  4-488-68403-3
Dean Koontz 公手成幸・訳 東京創元社/創元SF文庫 620円


 2000.7.14初版。原著(c)は1973と1997とふたつありまして、73年に書いたものをプロットだけ残して大幅改稿、ってことをしたらしいです、はい。
 離婚して大邸宅にひとりで住んでいるスーザン。彼女に恋をしてしまった人工知能プロテウス。機械のくせに! というような荒唐無稽な話ですわ。ほとんどがプロテウスのモノローグなわりには読みやすく、あっけなく終わってしまい、最近のクーンツを期待すると物足りないでしょう。

★★★(2000.7.31 黒犬)



闇へ降りゆく ―ストレンジ・ハイウェイズ2―
Strange Highways (Vol.2)  4-594-02846-2
Dean Koontz 大久保寛ほか・訳 扶桑社/扶桑社ミステリー 667円


 2000.1.30初版。クーンツの短編集『ストレンジ・ハイウェイズ』三分冊の二冊目。7編収録。
 さすが、みじかくても(みじかいからこそ、かも?)楽しめます。「フン族のアッチラ女王」や「罠」なんか、長編1本分の濃さがあるし。
 好みだったのは「罠」と「ブルーノ」。後者の、なんだかとぼけたような熊さんが、なかなかよろしかったです。

★★★☆(2000.3.24 黒犬)



戦慄のシャドウファイア(上・下)
Shadowfires  4-594-00426-1 4-594-00427-X
Dean R. Koontz 白石朗・訳 扶桑社/扶桑社ミステリー 上563円・下524円


 1989.5.25初版。
 クーンツの冒険小説。ずいぶん前に出た本ですが未読でした。あいかわらずどきどきわくわく。最初は女性名義で出版されたそうです。たしかにロマンス風味濃厚ですが、飽きさせません。

★★★☆(1999.7.11 黒犬)



奇妙な道 ―ストレンジ・ハイウェイズ1―
Strange Highways (Vol.1)  4-594-02702-4
Dean Koontz 田中一江・訳 扶桑社/扶桑社ミステリー 648円


 クーンツさんの新しいやつです。短編集を三分冊で出すんだそうです。で、1冊目のこれには「奇妙な道」と「ハロウィーンの訪問者」の2つが入ってます。
 でも後者はショートストーリーなので、メインは表題作ですね。
 面白かった。んだけどやっぱり物足りない。やはりこの人のは長くてみっちりしたお話がよろしいようで。長いのは長いので疲れるんだけどさ。
 しかし「ディーン・R・クーンツ」は「ディーン・クーンツ」と表記を変えたらしい。同じ人なのに面倒なことです。

★★(1999.6.28 黒犬)



ウィンター・ムーン(上・下)
Winter Moon  4-16-730958-0 4-16-730959-9
Dean R. Koontz 田中一江・訳 文藝春秋/文春文庫 上下各505円


 1995年12月刊。てなわけでまたしてもクーンツである。あいかわらずさくさく読める。今回はLAの警官とその家族が、なにやらわけのわからん化け物と対決するお話。
 前半の書き込みが緻密な分、下巻からの《対決》がややあっさりしすぎているような気もする。化け物さんも俺としては最初の方で××された××××××の××が×××でいるというような展開かなあと思ったので、深みという点では物足りなかったな。並。ではありますが、それはあくまでこの作家にしては、というところですので、全体の水準に照らし合わせれば当然合格点であります。飽きさせないのはさすがです。
(絶版かもしれません。アマゾンでは中古の出品のみヒットしました。2003.3)

★★★☆(1999.4.15 黒犬)



コールド・ファイア(上・下)
Cold Fire  4-16-730966-1 4-16-730967-X
Dean R. Koontz 大久保寛・訳 文藝春秋/文春文庫 上下各505円


 1996年8月刊。突発的クーンツ読む読む症候群で、また手を出しました。一気に読ませるっす。
 さすが。
 神のお告げかなんかわからんが、未来を予知して死んじゃう予定の人を救う男ジム。たまたま目の前でそれを目撃し、興味をもって調べていくうちにどんどこ深みにはまっていく女性記者ホリー。
 いったいどういう「お告げ」なんだ、目に見えない〈敵〉ってのは何者なんだ、と謎は深まっていくわけです。最後までいくと例によって例のごとくで、種明かしされればなーんだってことになるんですが、それにしたってティナ・ターナー、ちがう、ページターナーで飽きさせません。ネタ的にもけっこう好きな種類でしたんで満足。
(これまた絶版の可能性あり。2003.3)

★★★☆(1999.3.29 黒犬)

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last updated : 2003/3/7
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