June 03, 2005
池永陽『ゆらゆら橋から』○
初出「小説すばる」2002年12月号〜2004年2月号。
女の心はゆらゆら揺れない。ゆらゆら揺れるのは男のほう。人は一生に何度、恋をすることができるのか。
飛騨の山間の集落で生まれた男が小学5年生から52歳までに出会った8人の女性との関係を描く。
初恋の相手が都会からやって来た女先生。次なるお相手は、やはりよその土地からやってきた病気の女の子。とまあ、高校卒業までは絵に描いたような純愛路線。進学のために上京してからはそうも行かなくなるわけだが、心(や体)を通わせる相手が奔放だったり、ひどく頑なだったり、いってしまえば強烈な女性で、いきおい、あらゆる場面で主人公が被害者じみてしまうため、いやな気分が残る。おやじがおやじのために書いた恋愛小説と思ってあきらめるか。こういうおやじが「結婚は人生の墓場」だとか言うんだろうな。言ってろ。
★★★(2005.5.21 白犬)
集英社 1800円 4-08-774738-7
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posted by Kuro : 18:59
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