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February 04, 2005

平安寿子『パートタイム・パートナー』●

 2005.1.20初版。単行本は01年10月刊。
 就職をしてもすぐにやめてしまう進藤晶生がはじめたのは《デート屋》「パートタイム・パートナー」。さびしい女たちの話し相手やデート相手になって心の隙間を埋めようという商売だ。料金は2時間1万円。1時間延長ごとに5千円追加。車(BMW)を使用する場合は5千円追加。交通費、施設利用料、飲食代金は依頼者もち……。
 依頼客は、受験一色の青春を過ごしてきてデートもしたことがないという女子大生、失敗ばかりしている泣き虫のダメOL、家事と継子との関係につかれている主婦などなど。うまく気分を盛り上げてあげられることもあれば、手ひどいしっぺ返しを受けて自信をなくすこともあるが、晶生はめげない。
 甘チャンであるといえば甘チャン、無駄にポジティブシンキングといえば確かにそう。この程度で癒されてしまう女っていうのもどうかと思う。などなどとケチをつけようと思えばいくらでもつけられるが、ま、いっか。一発アイディアの連作短篇集としてはまとまっているほうかな。

★★★(2005.2.3 黒犬)

光文社/光文社文庫 552円 4-334-73815-X

posted by Kuro : 23:37

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